休職期間中に学んだ自己ケアの重要性

仕事一筋で走り続けていた私にとって、休職という選択は一種の敗北のように感じていました。しかし、その判断が私の人生にどれほど深い変化をもたらすか、そして自己ケアの重要性を再認識させてくれるかを知ったのは、実際に休職を経験してからのことでした。

ある日、仕事のプレッシャーに押し潰されるような感覚に襲われ、体が重く、心が不安定であることに気づきました。会議中に頭がぼんやりとし、手足が冷たくなり、息苦しさを感じたのです。その時、医師の勧めで初めて「休職」を考えざるを得なくなりました。心の中には、休むことへの罪悪感と、不安が渦巻いていましたが、自分の健康を守るために勇気を持って休むことを決めました。

休職初日、私は何をすればいいのか全く分かりませんでした。これまで仕事中心の生活を送ってきた私にとって、突然訪れた自由な時間がどこか不安で、焦燥感さえ覚えました。しかし、次第にその時間をどう使うかを考えるようになり、自分自身のケアに時間を割くことが大切だと気づきました。

まず、私は心と体のリセットのために、日常生活の中に「静けさ」を取り入れることから始めました。朝の散歩を習慣にし、新鮮な空気を吸いながら、ゆっくりと自然の中を歩くことで、心が少しずつ落ち着いていくのを感じました。自然の中での散策は、私にとって瞑想のようなもので、心の中の雑音を静め、リラックスする時間を与えてくれました。

趣味に時間を費やすことも、私の自己ケアに大きな役割を果たしました。特に、久しぶりに再開した絵を描くことが、心の癒しになりました。キャンバスに向かう時間は、日常のストレスから解放され、自分自身と向き合う時間でした。色彩を選び、筆を動かすことで、心が自由になり、自分の中に溜まった感情を表現することができました。